Cliff Lee going to Yankees...NO! To Rangers!

久しぶりの更新なのにBravesに関係ないのは気にしない(笑
最近のビッグニュースといえばこれ。NYYとTEXの駆け引き、思惑などについていろいろなメディアから得た情報で一番しっくりきたものをまとめてみた。

まずはパッケージから。(Twitterにtweetしたものから引用)
SEA→TEX Cliff Lee, Mark Lowe
TEX→SEA Justin Smoak, Blake Beavan, Josh Lueke, Matthew Lawson

直前までNYYのJesus Montero, David Adams+1～2名ので大筋合意とのニュースがMLBTRやTwitter上で流れていた。しかし結果はJustin Smokeを中心とするパッケージでTEXへ。

Cliff Leeについては改めて説明するほどではないが、2008年AL Cy Young Award受賞投手。異常なまでのBBの少なさと常時冷静なメンタルが持ち味で、現時点でMLBトップ5の実力を持っていると思う。昨期の10月に見せたピッチングは圧巻の内容で、NYY打線すら打ち崩す事ができなかった。
今回キーになったのはこのポストシーズンでのこの投手の強さと、Leeの所属チームの得るアドバンテージ。NYYは対戦しているからその怖さをよく分かっていた。今季もケガで出遅れたが5完投。Dominantなスターターであることは間違いない。
他の候補となっていた球団をあげると、TB, MIN, NYM, CIN, PHI辺りだろうか。どの球団も互いにポストシーズンで対戦する可能性がある。そのときにCliff Leeを相手にするだけでその試合を落とす可能性が上がるということを考えたのではないだろうか。

NYYに関して言えば明らかな補強ポイントはブルペンで、スターターの枚数は足りているといって問題はない。無理をしてLeeを獲得して誰をブルペンに回すのか？若いHughesのIP Limitを設定するのか、それともVasquezをそのまま回すのか。昨年のHughesの活躍を見ると前者はかなり効果的の様に思えるし、IP Limitとブルペン補強の二つを同時に埋められる為に都合が良いかも知れない。個人的にはこれが有力と思っていた。
しかし好調のHughesをスターターに残す道をNYYは考えていたというほうが良さそうだと、記事などを見て思った。こんな例がある。

1. Leeを獲得、Vasquezをpenに回す。
2. PHI, CHI, TEXなどスターターの足りていないチームがVasquez獲得を考える。
3. リリーバー+プロスペクトでVasquezを放出。

ただ、PHIに限って言えばWerthの放出を考えているため互いのニーズが合致する。
Werth←→Vasquezを中心としたトレードが浮上していたかもしれない。欲を言えば外野のdepthが弱いNYYが、守備に問題が無く、出塁率の高い右の強打者Werthに目をつけても何ら不思議はない。
しかもWerthは今オフにType AでFAとなるために来年のアマチュアドラフト上位指名権が2つも得られ、Leeの為の代償の埋め合わせが出来る。これはかなりNYYにとって有益になる。
また、NYYは獲得出来る出来ないにかかわらずFAでLeeを獲得するつもりだとしたら、トレードで取って契約する方が良い。FAだとWerthと同様の理由で来年の指名権を失うからだ。
VasquezもType AかBにカテゴライズされるだろうが、指名権を得る場合は調停を申請しなくてはならないがNYYはそうしないだろう。Vasquez側は調停をおそらく受け入れる(FAで手にするであろう金額より調停の方が大きくなる)がこれは球団にとってpayrollの面でもドラフトの面でもマイナスだ。

では、Jesus MonteroをPosadaの後継者にするのはあきらめるのか、という話だが、NYYの下部組織には捕手の有望株が多くて皆順調に成長しているため問題ないと判断したのだろう。Monteroは打撃に関して言えば将来的にビッグリーグで十分活躍できるレベルであることはどこも見ても書いてある。ただし守備は若干不安視されており、大型長期契約者の多いNYYではコンバート先が無いというのもtrade baitにされた要因の一つだろう。
SEAはほとんどのポジションがパッチワークで長期的に考えた場合Sounders, Gutierrez位しか使える選手がいない。出塁のできる強打者は本当に必要としているし、1BへのコンバートもOK。

最終的にはTEXがJustin Smoakで釣ったわけだが、どうしてSEAはSmoakをMonteroより優先したかはFanGraphsの記事↓
http://www.fangraphs.com/blogs/index.php/why-seattle-chose-smoak-over-montero/
を読んでもらえれば納得できるだろう。
簡単にまとめると、Monteroは20～27歳の間、Smoakは24～28歳の間球団がコントロールを得られる。最近この27歳という数字がかなり注目されていて、ブレークイヤーになることが多いらしい。早熟派(Miguel Cabrera)か27歳以降でブレークする(Paul Konerko)かを考えた上でSmoakの方がいいと判断した、というのが記事の内容。別にSEAがMonteroの才能を疑っているわけではなく、捕手には出来ないと判断したのだろう。
ただし、↓の記事ではMontero>Smoakだとしている。今後のSmoakの成長、MonteroのポジションによってはSEAのGM Z(未だにスペルが覚えられない)が叩かれることになりそう..
http://www.fangraphs.com/blogs/index.php/montero-may-be-the-better-value/

David Adamsは2Bで、SEAには球団トップのDustin Ukleyがいる。だから投手のBlake Beavanが選ばれたというのもあるだろう。ちなみにMark LoweはJosh Lueke(K/9が14.9、マイナーのクローザー)と入れ替えみたいな感じか。
また、仮にTB, NYM, PHIが相手だとWade Davis(Jermy Herrikson), Ike Davis, Dominic Brownが要求されていたのではないか。

Lee獲得でTEXは自慢の強力打線とCliff Lee, Colby Lewis(昨年まで広島在籍), CJ Wilson, Tommy Hunterといった先発陣にFrank Francisco, Neftali Felizというリリーフ。かなり充実した戦力がそろった。今年のAL EASTは久々にTEXの優勝か？

以上、ほとんどNYYサイドの話になってしまいました。と言うよりも、NYYで決定、どうしてNYYが取りに行くのかという視点でしか考えておらず、私自身もTEXにしてやられました。コメントはこのページでも、Twitter(@atlsoushi)でも受け付けています。

 

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